ピアノのための練習曲集第1巻

第4曲「Fanfares ファンファーレ」

左手で始められる妙なスケール"c-d-e-f-fis-gis-as-h"は太字の位置にアクセントがつけられ、3+2+3という不規則なリズムが無表情に刻まれます。調性的でも無調的でもない、全音音階ともちょっと違う、不思議な8音の連なり。メシアン流に言えば、移調の限られた旋法第6番(M.T.L.6)となります。「M.T.Lは同時にいくつもの調に属しているような感じを与える」(メシアン)。

しかも、これが最後まで継続される作品。その対旋律（というのかなぁ）には、ファンファーレのような金管色の強い音色の和音が添えられます。

スケールは両手ユニゾンになったり、左右入り組んだりします。また、対旋律は曲が盛り上がるに連れ、非常に激しく動くようになります。左手でも。

最後は、一番低い"c"からはじまる長いスケールがピアノの最高音の"c"に達して終了。